ざっくり比較!ファイバーレーザーvsCo2レーザー

  • 素材の切断を行う金属加工機械として、「レーザー加工機」があります。その中に、Co2レーザーと、ファイバーレーザー加工機があります。どっちがいいの?という皆様の疑問にざっくりお答えしようと思います。

    【追記】自社にて、ファイバーレーザーのデモ機を手配する予定です。立ち上げ作業の様子や注意点など、「どのような部分に注意すればよいか」「配電設備は?」「設置作業期間は?」など、実際に作業してみて記録などを、こちらでお知らせできるようになりましたら、随時更新していく予定です。

    (ページ作成日:2019年10月8日 ページ更新日:2021年3月9日 コメント追記)
  • ファイバーレーザー:三菱
  • ファイバーレーザー:村田機械
  • ファイバーレーザー:マザック

簡単な機械の仕組み

  • おおまかには、レーザー媒質(ファイバーか混合ガスか)、励起源(半導体レーザーか放電か)、共振方法(ファイバーかミラーか)の3点において、ファイバーとCo2に違いがあります。発振器がファイバーになったことでヘッドの構造を改良することができました。Co2は薄板・厚板によりレンズを交換していましたが、ファイバーはヘッドの中の数枚のレンズを調整して加工します。(各社によって、様々な名称で呼ばれます)

どのようなことができるの?

  • ファイバーレーザー
    金属への吸収率がよく、あまり反射の影響がでないため、加工がしやすいという特性があります。アルミ・真鍮・銅など、反射が高い金属を切るのに適していると言えます。また、窒素加工に向いています。近年、各メーカーは発振器の高出力化(6kw・8kw・10kw...)の流れになっています。高出力発振器で窒素加工すると加工速度がさらに上がります。

    鉄材の加工については、Co2にあまり遜色はありません。切断面の品質は同等となってきました。加工速度はCo2より早いです。
  • Co2レーザー
    加工面でいうと、アルミ・真鍮・銅など、反射が高い金属は切りづらいです。一方で、鉄の加工については、現時点ではCo2がやや有利です。ガラス・アクリルや木材といった非金属材料を切ることができます。

ファイバーをCo2と比較した場合のメリット・デメリットは?

  • メリット
    ・加工速度が速いです。薄板切断なら、Co2の5-6倍程度の速さです。
    切断する前の、穴を貫通させる時間(ピアス)も違い、おおよそ、3-5秒(Co2)かかっていたものが、1-2秒(ファイバー)に短縮されます。

    ・ランニングコストが安いです。
    →電気代が1/3から1/4となり、金額としては一例ですが、月に10-20万が3-5万くらいに減りました(導入したお客様も驚いていました)

    →ガス代について
    発振器のなかに使うレーザーガスはゼロです。アシストガス(酸素、窒素等)は、加工速度が速くなるため、消費量は20%くらい減ります

    →水道代
    もともとあまりかかっていないため、あまり気にされる会社はありません
  • デメリット
    ・加工速度が速すぎます。そのため、加工する板を取り換える段取りが大変です。そのため、レーザー本体と材料棚をセットで設置することが推奨されます

    ・Co2と比較すると、新品機械価格が1.5倍くらいとなります

    ・ステンレスについて
    加工速度は、Co2と大差ありません。ただ、ファイバーレーザーの波長がステンレスとは、相性があまり良くありません。そのため、厚板ステンの切断面の品質を求める場合は、Co2が有利です

    ・加工面の仕上がり
    切る素材が厚くなると、切断面の仕上がりは、Co2が有利です。

素材加工例

  • 下記画像は、SS304・400・軟鋼などの加工例です。
  • 素材SS400、板厚t9.0mm、試作品全景
  • 素材SS400、板厚t9.0mm、くりぬきカット部分アップ
  • 素材SS400、板厚t9.0mm、曲線カット部分
  • 素材SS400、板厚t9.0mm、曲線カット部分別角度
  • 素材A5052、板厚t15.0mm
  • 素材SS400、板厚t25.0mm
  • 素材SS304、板厚t12.0mm
  • 素材:軟鋼、板厚t16.0mm
  • ①②③④まで→素材:SS400 板厚:t9.0mm 出力:8000W 加工ガス:窒素 加工時間:49秒(ファイバーレーザー)
  • ⑤→素材:A5052 板厚:t15.0mm 出力:4500W 加工ガス:エアー 加工時間:1分52秒(ファイバーレーザー)
  • ⑥→素材:SS400 板厚:t25.0mm 出力:4000W 加工ガス:酸素 加工時間:1分25秒(ファイバーレーザー)
  • ⑦→素材:SS304 板厚:t12.0mm 出力:4500W 加工ガス:窒素 加工時間:1分18秒(Co2レーザー)
  • ⑧→素材:軟鋼 板厚:t16.0mm 出力:4300W 加工ガス:酸素 加工時間:1分25秒(Co2レーザー)
  • ※データ出所:2019年7月に開催された「三菱電機メカトロニクスフェア 2019 in 西日本」にて撮影。上記画像の著作権・著作隣接権等は、全て三菱電機株式会社に所属しますので、引用・転用・その他の利用を禁止します。

    ※「試し切り」のご相談は、077-547-2644もしくはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

メーカーによって特徴があるの?

  • メーカーによって、得意な部分が若干違うと思います。薄板はどこのメーカーでもほぼ差はないと思われます。特に薄板に強いのは渋谷工業、村田機械です。厚板に強いのは三菱電機、小池酸素です。アマダ製は、他にアマダ製の機械を使っている場合に親和性が高いと思います。三菱は薄板から厚板までオールマイティに加工できます。
    また、ヘッド周りの技術にも各社しのぎを削っています。例えば、「ガスの消費量70%OFF」というものであったり、レーザ光の軌跡を制御して生産性、加工品質upという技術を提供しているものもあります。

導入価格やランニングコストは?

  • 初期導入費用
    前述しましたが、新品機械ですと、Co2と比較して機械代が1.5倍くらいになります。出力が小さめの機械でも、大きめの機械でも同様の価格比率です。
  • ランニングコスト(メンテナンス等)
    ・Co2よりも、電気代が70%前後、ガス代は約20%安くなります。
    ・Co2より定期点検の回数が少ないです。電子基板(ひとつ500-600W)など、機構部品の寿命が長く、1つ発振器部分(カセット)が壊れても、予備があるので、復旧が早いです。発振器の中が複雑なCo2の場合、熱交換器・ブロアー・電極など消耗品の交換が必要となり、ファイバーに比べて修理代が高くつく傾向があります

ファイバー導入を検討する場合、何に着目すればよいか

  • 生産量
    ファイバーは、大量生産向きです。鋼材生産・建材生産などの材料加工や建築機械・農業機械などの、メーカーで使うことが多いです。その他、精密板金・製缶・メーカーの板金部門で使われています。4×8・5×10サイズで、効率良く大量生産する事業所が向くようです。
  • 素材と業種
    ステンレスなど、ファイバーが苦手とする素材の場合は、Co2が使われます。また、少量多品種のところは、Co2のタイプが根強く人気があります。
  • 設置場所
    特に設置場所に制限はありません。材料棚を採用する場合は、そのスペースまで確保する必要があります。
  • 切断面
    加工仕上がりの差はなくなってきているとはいえ、現時点ではCo2の方が切断面がキレイです。そのため、導入を考えている機械について、製造メーカー等にお願いして、試し切りをさせてもらうことをお勧めします。特に、ステンレス9mm以上の厚板を切った時に、切断面でCo2との差が出ます。 お客様により、求める精度が異なるため、実際に切らせてもらうと「導入してもよいか」の判断がしやすいです。
  • 付属機器
    集塵機・チラーは共通です。ファイバーは、クーリングタワーは使いません。
  • 三菱製ファイバーレーザー加工機の試し切りをご希望のお客様は、弊社TEL:077-547-2644 もしくは お問い合わせフォーム よりご連絡下さい。日程等の手配をさせていただきます。
メールでのご相談・お問合せはこちら

ファイバーレーザーの展示会に行って参りました

  • 2019年7月に開催された「三菱電機メカトロニクスフェア」に行って参りました。ファイバーレーザーでの加工デモや技術セミナーなどが行われておりましたので、その様子をご報告いたします。
  • メカトロニクスフェア看板
  • 三菱電機西日本メカトロソリューションセンター
  • フェア会場入口
  • フェア受付
  • セミナー会場講演前
  • 展示機操作例
  • 展示機操作画面
  • 商談スペースの様子
  • ML3015GX-F80
  • サンプル加工素材
  • デモ開始前セッティング
  • Co2レーザーサンプル加工セッティング
  • ⑨展示されていた三菱ML3015GX-F80
  • ⑩ ⑨の機械外側から、加工が始まる前を撮影
  • ⑪デモを行う前のセッティング
  • ⑫Co2レーザー三菱ML2512HV2-R PLUS
メールでのご相談・お問合せはこちら

その他発振器の違いなど

発振器の種類は、おおまかに3種類があります。

  • IPGフォトニクス社 ファイバーレーザーを生産している会社のおよそ9割程度が、IPG社の発信器を使っています。

    【出典】https://www.ipgphotonics.com/jp/
  • マザック社

    ダイレクトダイオードレーザー(DDL)という仕組みをとっています。

    IPGのシステムより、電気の効率をよくしたものとなります。加工結果は、IPG社製とほぼ変わらない印象です

    【出典】
    https://www.mazak.jp/machines/optiplex-3015-ddl/

各メーカーについて

日本メーカー

海外メーカー(日本国内で販売をしている会社例)

その他メーカー

  • 比較的安価な中国製のファイバーレーザーも出回っているようですが、アフターフォローに課題があるようです。

最後に

  • 2019年5月時点では、ファイバーの中古機械はほとんど出回っておりません。2018年度における新品機械国内出荷の市場シェアとしては、ファイバー:60% ・ Co2:40%、アメリカでは80% ・ 20%、全世界ではファイバー:70% ・ Co2:30%という印象です。

    加工条件、使用目的により、適した機械を選択されるのが良いと思います。詳しいことは、弊社までお問い合わせ下さい。

    弊社は、主に中古機械を扱ってはおりますが、新品機もご紹介もいたしております。お問い合わせ、お見積り、サンプル加工のご依頼など、ご遠慮なくお申し付け下さい。
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