機械の基礎知識 BASIC KNOWLEDGE

レーザー加工機の基礎知識

Q&A by MECHANY

レーザー加工機とは

  • レーザー加工機とは、不可視レーザーでさまざまな素材を彫刻・切断・穴あけ・マーキングする板金機械です。
    世の中ではさまざまな分野でレーザー光を用いた機器が使われています。紙、布、皮などの比較的柔らかいものから、アクリルや金属の切断、医療用に使われているもの、更には脱毛にも使われたりしています。
     弊社では主に金属加工用のレーザー加工機を取扱っています。レーザー光を用いて、任意の形に材料を切り抜いたり、マーキングをすることができる加工機です。以下では、この金属加工用のレーザー加工機について説明します。
  •  金属加工用レーザー加工機の種類としては、主に「ファイバーレーザー」「CO2レーザー」「YAGレーザー」の3種類があります。別用途として「レーザー彫刻機」という機械があり、下記にそれぞれの特徴を簡単にご説明いたします。

ファイバーレーザー

  • 近年登場したレーザー加工機で、従来のCO2レーザーとは全く異なる仕組みでレーザー光を発生させる発振器(レーザー光を作る装置)を備えています。
     特徴としては、ランニングコストがCO2レーザーよりはるかに安く抑えられること、銅や真鍮など高反射材を加工できることが挙げられます。
     ランニングコストを抑えることができる理由は、①レーザーガスが不要であること ②エネルギー効率の上昇により電気代が節約できること ③発振器がメンテナンスフリーであることにあります。
     ただし、その反面イニシャルコストが高い機械でもあります。従来のCO2レーザー加工機と比べて約1.5倍の価格で販売されていますので、稼働時間が短いとランニングコストの安さを活かすことができません。長時間稼働させるような場合ですと、効果は抜群です。 とは言え、2017年8月現在ではまだまだ中古機市場ではお目にかからない機械です。
    ご希望の方は新品の御見積もいたしますので、ご連絡ください。
アマダ・ファイバーレーザー加工機①
アマダ・ファイバーレーザー②
トルンプ製レーザー加工機
加工製品例(アルミニウム)
加工製品例(真鍮)

※本ページ内の機種名・商品名などの知的財産権は、すべて製造各社に帰属いたします。

CO2レーザー加工機

  •  ファイバーレーザーが登場したとは言え、レーザー加工機といえばまだまだCO2レーザーが市場の中心です。レーザーガスを媒体にして放電し、ミラーやレンズを経由して材料を切断していきます。ファイバーレーザーに比べ導入コストが安く、特に厚板を加工する場合に良質な切断面を得ることができます。シート材をメインに加工する2次元レーザー加工機, 立体成型品への切断加工から溶接加工まで可能な3次元レーザー加工機が存在します。 板金加工のスタンダードとして最も普及しているレーザー加工機です。
    レーザー加工機が普及するまで、同様の加工を担ってきたのはタレパンでしたが、金型段取りが不要なレーザー加工機に置き換えることで生産性が向上し、より複雑な加工を実現しました。
    弊社では、アマダ、三菱をはじめ、各メーカーの中古レーザー加工機を取り扱っております。用途に応じてお選びいただけますので、是非一度弊社マシンセンターまでお越しください。
  • 導入事例①→CO2レーザー加工機(三菱製)を納入したお客様 
  • 導入事例②→CO2レーザー加工機(アマダ製)を納入したお客様
アマダ製co2レーザー
アマダ製Co2レーザー加工機
三菱製Co2レーザー
金属加工事例1
金属加工事例(切断面拡大)

YAGレーザー加工機

  • レーザー光を発生させるのに使用されている元素それぞれの頭文字をとり、YAGと呼ばれています。 各種金属の溶接・切断に適している他、医療分野でも多く使われています。
  • YAGレーザーはTIG熔接と比較して、非常に狭い範囲に熱が集中し、溶接スピードも速いため母材に対して入熱が少なくなり、 特に薄板溶接で問題になる「熱歪み、溶接焼け」が極めて少ない溶接が可能になります。更に後処理がほとんど不要になりますので、工程の短縮に貢献します。
yagレーザー例①
yagレーザー例②
yagレーザー先端付近
yagレーザー加工事例

レーザー加工機選びのポイント

  • ① 2Dか?3Dか?  レーザーには、シート材加工用の2次元レーザーと立体を加工する3次元レーザーがあります。3次元レーザーで2次元の加工ももちろん可能です。そもそも3次元レーザーの方が価格が高いので、シート材のみを加工予定であれば、2次元レーザーを選択すればよいでしょう。
  • ② ワークサイズ  基本的に機械のサイズには規格があり、2次元レーザーの場合だと4’×8’サイズや5’×10’サイズの鋼板に合わせて機械が用意されています。大きなものになると、門型の本体がレール上を走行するガントリーレーザーなどもあります。
  • ③ 加工板厚  使用する材料にもよりますが、厚みが増すほど必要な出力は増加します。たとえば、鉄の6mmが切りたい場合は発信器に2kwの出力があるレーザー加工機で加工が可能です。「16mmが切りたい!」という場合は4kwを選んで頂くとよろしいかと思います。近年では6kwも出て24mm程度まで切断可能となりました。しかし、25mm以上の厚みになると、プラズマ切断機やガス切断機の出番です。ステンレスやアルミも加工可能ですが、鉄とは条件が異なりますので、別途ご相談ください。
  • ④ 加工材料  基本的に加工できるのは鉄、ステンレス、アルミです。銅や真鍮を加工したい場合は、CO2レーザーでは加工が難しいのでファイバーレーザーを選択する必要があります。
実際に設置したレーザー機械

レーザー加工機の構成

  • レーザー加工機は本体以外に付属品がいくつかあるのが通常です。機種やメーカーによって若干の違いはありますが、本体のほか、発振器、チラー、集塵機、クーリングタワー、コンプレッサー、エアータンク、ブースターコンプレッサー、パレットチェンジャーなどがあります。設置スペースにも関わってきますので、どういった付属品の設置が必要かもご相談ください。

    以下、各パーツおよび付属品類の画像をごらん下さい。

●本体を別角度から撮影

レーザー加工機の作業台 斜め正面より
正面より
FO-3015NT 左正面
FO-3015NT 右側正面

●レーザーヘッド部

レーザー照射部分(ヘッド)のアップ
レーザー照射部分(全体)

●NCコントローラー

NCコントローラーアップ
NCコントローラー全体

●発振器

レーザー加工機の発振器の部分

●付属機器

チラー
チラー部分全景
集塵機
エアー集塵機
クーリングタワー
クーリングタワー部全景

※本ページ内の機種名・商品名などの知的財産権は、すべて製造各社に帰属いたします。

レーザー加工機導入の流れ

  • ① 機種を選定して下さい。よくわからない場合は、弊社の担当者にご相談頂けましたら適切なものをご案内します。
  • ② 納入に関する打ち合わせを行います。納入日のご相談や一次側工事のご説明、貴社にてご用意頂くものの確認等をいたします。
  • ③ いざ納入。重量作業業者と共に機械を据え付けます。一旦ここで、機械と一次側の接続工事をお願いします。
  • ④ 試運転開始!弊社エンジニアが伺い、試運転調整作業を行います。操作指導もいたしますので、ご安心ください。
  • ※ 納入・据付・試運転は、ご希望により承ります。
三菱製ML3015
アマダFO-3015NT

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