ざっくり分かるシャーリング
Q&A by MECHANY
1.シャーリングとは
- 板状の材料を任意のサイズに切断する機械です。鉄はもちろん、ステンレス、アルミその他の材料も切ることができます。原理は私達が普段使っているハサミと同じです。ただし、あまり硬い材料を切断使用とすると刃がかけてしまったりするので、なんでも切れるわけではありません。
2.シャーリングの種類
- 構造上の違いとして①メカ式、②油圧式があります。
特徴としては、メカ式は加工速度が速く、メンテナンス性が良いことが挙げられます。一方で、厚板切断に対応した機種が少ないことと、加工音が大きいところがマイナスポイントです。油圧式は、厚板切断に向いており、加工音もメカ式に比べて静かですが、油圧を用いて加工していますので、油漏れは宿命です。
位置決め装置は、NC装置もありますが基本的にはオートバックゲージ、電動バックゲージ、手動バックゲージです。また、周辺機器や板ダレを防止する機構などもいろいろとあります。具体的には、フロントゲージやコンベアーがあります。フロントゲージは大きな材料を乗せる場合やバックゲージでは測れない寸法を測る場合に便利です。コンベアーも切った材料を自動で送ってくれるので、切断後の材料の整理に一役買ってくれます。材料の整理に労力の必要な厚板や幅広の材料を加工する機械に多く採用されています。
もう一つ、切断時に材料がダレないように支えてくれる機能としてサポートと呼ばれるものがあります。種類は2つあり、磁石の力を利用して材料を引っ張り上げておく電磁式サポート(マグネットサポート)とエアーの力で下から支えるエアーサポートがあります。電磁式サポートはその性質上、磁石にくっつかない材料には機能しませんので、例えばステンレスメインに加工する方には不向きです。エアーサポートは材質問わず使えますが、コンプレッサーが必要になりますので場合によっては費用面でマイナスポイントになります。
- 導入事例①→シャーリングを導入されたお客様(二回目のご登場)
3.シャーリング選定のポイント
- ①材料の厚み及び長さ
最も重要な要素です。基本的に機械の能力は鉄(軟鋼)をベースに表示されています。何の指定もなく、6mmが切れる機械だといった場合は、鉄が6mm切れる機械だと いうことになります。ステンレスやアルミ他、材料によって抗張力(雑にいうと硬さ)は違いますので、同じ機械でも材料によって切断できる厚みが変わってきます。加工できる幅につきましては、1200mm、2500mm、3000mm、4000mmなど定型的なサイズで各メーカーが販売しています。
②サポート
前項で少しふれましたが、板ダレを防止するサポートの要否も重要なポイントの一つです。特に薄板は曲がりやすいのでサポートがあると便利です。 - 導入事例②→シャーリング、セットプレスを導入されたお客様
4.シャーリング導入の流れ
- ① 加工材質と加工板厚、加工長さから機種を選定してください。材質による切断可能範囲については営業スタッフにご相談ください。
② 一次側の工事条件をご確認ください。基本的には電源工事ですが、機種によってはエアー配管工事が必要です。また、一部大型機種では基礎工事が必要なものもあります。
③ 引渡しは弊社マシンセンターでの置き場渡しから、納入・据付・試運転まで幅広く対応致します。お気軽にご相談ください。